•  玄米に炊煙たてば太古より継ぎたる細胞にはかに目覚む 諍ひしをりの台詞に似かよひて鯛の背びれの刺さりし痛み 猫飼へば「猫あるある」と人の言ふ小さき「ある」を見出す刹那 医院より帰路十五分の間のみ止みて、また降る春雨やさし 土手道にて出くはしたる野良犬に歩を留められし長き一瞬 愛猫がつひに逝きぬと言ふ友の眼たちまち湖(うみ)となりぬる 長雨の終の雫に覚まされて寒芍薬は首もたげ初む 画面には憂きことの... 続きを読む
  •     Kindle本「私史心象」販売中     光さす方へ~SSIRからの脱却~                       #短歌 #和歌 #連作 #エッセイ #長歌 #古典 #随想... 続きを読む
  •  この家を見果すべうやペレ君の尾は庭草となりて揺れをり牡といふ性(さが)を解かれし家猫の年ふりゆきていよいよまろしことさらに男の服をまとひゐし頃あり家継ぐ定めと知りてスカートの裾ひらめける踝を誇りてをるか女といふ性(さが)産む性の役終へし今 月一の美容室にてわが性認む男とも女ともなき姿態もて天に還らば今をし恋ふかも独り居の験しなければその苦楽しばし湯舟に浮かべて比ぶ前生より持ちきたるらし心病(ここ... 続きを読む
  •   元旦の憩ひを断ちて急告ぐるアラーム能登の全域覆ふ  倒れ来し電柱裂けにしアスファルト人の力の及ばぬ力  頽れし岬に踏ん張り留まれる灯台のみぞ白く聳ゆる  心にも燃やせるものを詰め込みて救助隊道なき道をゆく  潰えにし暮らしの中を縮みゐる人の元へと湯気立つ給仕  些少なりとも救ひとなり得るか義援振込む温き部屋より  奪はれし命の数を思ほえばひたに塞(ふた)ぐる胸の内かな  日数過ぎ未だ発見ならぬ... 続きを読む
  •  秋の陽の照れる紅葉の一日を飽きもせず見しかの秋葉山  外来の泡立ち草の黄の陰に密かに生ふる麒麟草見ゆ 野良猫に情けかけたる人越して空き家に淘汰されにし二匹 老ひ家の安否いかにと尋ね来し民生委員も白髪なりて 信者にはあらねどふつと手の伸ぶるチキン、ケーキの経済効果 突然の雨に惑ひし店先に新たな出会ひわれを待ち受く 一年のあれやこれやも過ぎ去りて事なき今を暮るる晦日(つごもり) 年越しの空見上ぐれば... 続きを読む

光畑昌子(Masako Mitsuhata)

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